雇用形態が変わる
時代が変わる
変化することが、何か
”すごく”いいことのように
思えませんか?
日本では長く終身雇用制が続いてきて
それが、崩壊してしまいました。
まず、個人的なところを
お話させてください。
僕個人は、終身雇用は嫌いでした。
正直、仕事ができようが できまいが
遅刻もせず、真面目に出勤していれば
それでオッケーという感覚に近い
そんな風に思っていたんです。
そもそも、こんな制度
日本だけなんじゃないの?と
かなり批判的に捉えていたんです。
何も知らずにです。
安定、安定って
生きてること自体、いつ死ぬかわからない状態なんだから
安定なんてものはないんだよ。
なんて、偉そうなことを思っていたんです。
実に、お恥ずかしい。^^;
でも、今 終身雇用が崩壊して
改めて歴史的なことを調べたりしてみると
全く、おかしな考えを持っていた
そんな自分に気づくんです。
終身雇用の原型がつくられたのは
大正時代から昭和時代の初期と言われています。
そして、最近まで続いていた形になったのは
高度経済成長期の頃に
確立されていったようです。
高度経済成長期というのは、
1950年代(昭和25年)から1970年(昭和45年)にかけて
続いた好景気です。
僕が幼い頃にも、まだ
好景気の名残は、続いていたと記憶しています。
当時は、好景気で
ほぼ完全雇用だったんですね。
超人手不足だったんです。
そんな人手不足の状態で
しかも完全雇用の状態では、従業員にやめられたら
そのあと、新たに雇用するのが難しくなります。
人間というのは、1つの仕事を続けることで
作業に対して熟練していき
生産性が向上していくんですね。
これは、アダム・スミスの時代には
すでに明らかになっていたことです。
彼の最も有名な著書「国富論」の
第一編「労働の生産性の向上をもたらす要因と、
各階層への生産物の分配にみられる自然の秩序」の
第一章「分業」の中で
それが書かれています。
ちなみに、アダム・スミスは貨幣感を間違っています。
その影響は現在でも続いていて
世界中の多くの人が
「商品貨幣論」を信じる要因になっています。
話がそれました、戻しますね。
何かを製造する工程を分けることで
毎日、同じ作業を繰り返す
そうすることで熟練してくんですね。
特に日本人のように真面目な民族の生産性向上は
他国より優れていると言われています。
生産性向上のための投資には、
・設備投資
・人材投資
・技術開発投資
の3つがありますが
当時の企業は、それぞれの投資をしました。
有能な人を雇うというのも
人材投資の一つですが
工場を新しく新設するという
設備投資をしたら
従業員を増やすことも必要になります。
君の生活を会社が保証するから
定年まで勤めてね!
ということです。
現在の日本であれば
人手不足なら、移民を入れれば解決だ!
というこで、実際に移民受け入れをしていますね。
じゃあ、なぜ移民政策を行わなかったのか?
そう思いますよね。
当時は、中国との国交もなかったし
一番近い民主主義国家は、オーストラリアだったんです。
そんな状態だったので
移民を入れたくても
できなかったんです。
それで、日本だけが
驚異的な経済成長を遂げることができた
それが、高度経済成長期だったんです。
もちろん、他国も経済成長していましたが
日本は、群を抜いて成長しました。(図1グラフ参照)
ドイツでは、「経済の奇跡」
フランスでは、「栄光の30年間」
などと言われています。
図1のグラフで分かりますが
日本は、10%前後の経済成長率です。
興味深いのは、西ドイツです。
最初は10%近い成長率だったのが
どんどん落ちて、5%程度にまで低下しています。
何があったんでしょうか?
実は、西ドイツでも人手不足が問題になり
生産性の向上を図らず
移民を受け入れたんです。
日本が、これだけの経済成長を達成できた
要因の1つは、幸か不幸か 前述した
移民を受け入れたくてもできなかった
ということが挙げられます。
こんなことを考えると
バブル崩壊までの日本は
国家として、非常に安定していました。
終身雇用を行っていたのは、
日本だけかも知れません。
でも、歴史的にみて
日本だけがやってきたことをは
実は、世界的にも
うらやまれることが
多いような気がします。
終身雇用で社会が安定した状態で
それでも、会社に勤めるより
自分で事業を興したいという人は
一定数いると思います。
僕もそんな1人かも知れませんが。
大多数の人は、安定した人生を望んでいる
僕は、そう思います。
安定した会社員か
色々なことを経験しながら
自分で事業をやっていくのか
それが選択できた日本は、
恵まれた素晴らしい国家だったんだと
過去形で書かなければならないのが
少し残念です。
そうは言っても、終身雇用が崩壊したのは事実です。
その事実を受け入れて
新しい働き方を模索したり
自分で何かを始めるしかありません。
起きたことは仕方がないんです。
起きたことを悔やむより
これからは、前をみて楽しく進みましょう。
そしてこれまでより
もっともっと豊かで、楽しい日本を創っていきましょう!